M30 BEB (Bridge Erection Boat)

M30 BEB (Bridge Erection Boat)
アメリカ陸軍のM30 BEB

M30 BEB(Bridge Erection Boat:架橋作業艇)は、浮き橋やいかだの設営および運用を支援するために高い推力と優れた操縦性を提供するアルミニウム船体の作業艇である。長年使用された旧式のMKIIに代わり米陸軍などに導入され、土砂が堆積した浅瀬、淡水、海水、汽水域といった多様かつ過酷な水上環境でも高い機動力を発揮する。双発のマルチ燃料対応ディーゼルエンジンとウォータージェット推進システムを搭載し、従来のケーブル駆動から近代化されたシステムへの刷新により、少人数での運行や水上での迅速な修理対応を可能にしている。浮き橋の押し込みといった渡河作戦支援だけでなく、水上パトロール任務や自律運航による自動架橋実験などにも用いられている

Official Name (正式名称)M30 BEB (Bridge Erection Boat)
Country of Origin (開発国)オーストラリア / アメリカ合衆国(※オーストラリアの基本設計をベースに、米陸軍の要求仕様に合わせて米国で共同最適化・製造)
Manufacturer (製造メーカー)Birdon Group / Birdon America, Inc.
Designed (設計年)旧式のMKII BEBの更新を目的とした米陸軍の制式プログラム(Program of Record)に沿ってオーストラリアのBirdon社が主契約を獲得し、米陸軍ユニットの要求に適合する機動性と信頼性を盛り込んだプロトタイプ開発と試作評価を実施して基本設計仕様が正式に確定した設計年は2013年であり、その後フルレート量産体制の構築と初期配備評価期間を経て、米陸軍の第50多目的架橋中隊(50th Multi-Role Bridge Company)や各陸軍リザーブ・ナショナルガード(州兵)部隊等の実戦・訓練運用現場への本格的な初号機配備・運行管理がスタートして公式な運用開始となったのは2018年5月である
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国アメリカ陸軍(工兵隊、第50多目的架橋中隊[50th MRBC]などのアクティブ部隊、陸軍リザーブ、プエルトリコ陸軍州兵等)
オーストラリア:オーストラリア陸軍(王立オーストラリア工兵隊)
ブラジル:ブラジル陸軍(ブラジル陸軍委員会[Brazilian Army Commission]経由で、アマゾン川流域等の渡河作戦用に特注仕様機を直接調達運用)
オランダ:オランダ陸軍(王立オランダ陸軍:次世代広域渡河ソリューション[Wide Wet Gap Crossing solution]として、砕氷仕様ボウ搭載の最新型を公式調達運用)
スウェーデン:スウェーデン国防軍(スウェーデン国防装備庁[FMV]:1,830万ドル規模の契約に基づき、極寒冷地対応の強化アイスボウやデュアル電動ウィンチを備えたバリアントを公式調達し現役運用)
Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量基準排水量(空虚重量):約 2.6 t (2,600 kg)
満載排水量:基本自重に燃料、運用隊員、および追加の乗員や積載資材を合算した最大排水量は非公開
Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水W (最大幅/全幅):3.40 m (11 ft 2 in) ※Moulded Beam(型幅)仕様
D (喫水):0.45 m (1 ft 6 in) ※Shallow water(浅海・浅瀬)運航に最適化された設計
L (全長):7.20 m (24 ft) ※Birdon社全体の Measured Length(計測全長)は 7.80 m、Overall(トレーラーマウント等含む全長)は 9.45 m
Propulsion (機関):Twin Diesel Engines with Waterjet Propulsion
出力:計 500 PS+ 〜 600 PS 級(※Cummins社製などのミリタリー仕様ディーゼルエンジン2基と、KaMeWaまたはNAMJet社製等の高性能ウォータージェット推進システム2基を搭載。正確な単体最大馬力数は非開示のため総出力推定値。ボラードプル(曳航力)は 5,800 lbs 以上)
Speed (速力):最大速力 28 kt 以上 (約 52 km/h) / 満載・重積載時(Laden) 14 kt 以上
Range (航続距離):20 knot 巡航時に 約 200 nm (約 370 km)
Complement (乗員数):2名(操縦要員[Operator]および乗組員[Crewman]。最大人員収容能力[Maximum Personnel Capacity]は、旧型MKIIの15名から削減され、本艇では最大6名まで搭乗可能)
Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー):None
安全な夜間・視界不良時の運行、および自動架橋ミッションをサポートするための戦術GPS航海ユニット、および車載・輸送コンポーネント(CBT)と連動する自律統合通信インターフェースを搭載
Armament (兵装):None
Aircraft Carried (艦載機)、
Carrying capacity(積載能力):
固有の貨物専用デッキは持たないが、改良型リボンブリッジ(IRB)等のフローティング・ブリッジやいかだ(Raft)モジュールを水上で押し込み(Pushing)、組み立て、および接合維持するための高推力・ボラードプル(引き込み力)に特化している。
  1. By United States Army – https://www.army.mil/article/204099/end_of_an_era_for_the_mkii_beb_50th_mrbc_first_unit_to_receive_m30, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=103632210

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